moNo’s note

最近読んだ本,観た映画など,気ままにメモします.

Soul/Pixar(2020)

仕事への行き詰り感が最大値になって,実際に支障が出てた直後に,この映画の存在をyoutubeで知って,鑑賞.泣いた.

寝る間際,布団の上で鑑賞. 寝ぼけた頭で最初観た時は素直に,「夢」を追いかけても満たされず,身近で短期的な「今」に幸せを感じたほうが良いんじゃない?と受け取った. 主人公のやりたい仕事・夢が達成できてない,という状況に,自分の現状を重ね合わせて,ぐっと来た. そして,一番,引っかかりを感じたのが,この台詞.

こんな魚の話がある. 彼は年長の魚に言った.海を探しているんです. 年長の魚は,海か,今いる所がそうだよ. 魚は,これ?これは水です.僕は海が欲しいんだ.

その時の私の解釈は

  • (どうせ分からないだろうが)「今」を冷静に見てみろ.
  • 夢が手に入ってないというけれど,現状に満足していないというだけで,昔の自分からは少し進んでるんじゃないのか?
  • 一晩,頭を冷やして,少しだけ肩の荷を下ろしてみたら?

後日,製作の舞台裏や未公開シーンを見てみると少しだけ印象が変わった. インタビューの中では,「夢」も「今」もどちらも必要,と言っていた. また,映画の中でも「Spark」=生きる目的ができたから生まれたわけではなく,「生きる準備」ができたから生まれた,というセリフもあった.

つまるところ,バランスの問題だと言っている. どちらに寄りすぎてもいけない.同時に,肩の力を抜きすぎてもいけない. 適度な緊張感の中で,夢を追いつつ,今の幸せも感じる. 少なくとも,現代思想に染まって生きるには,どの要素も必要で,そのバランスが不可欠ということだろう.

納得や幸せはどこにあるのか,そもそも存在するのか. もしかすると,その中間を行ったり来たりするのが,幸せなのか.

多目的最適化は,多数のバランスのさせ方の候補か,ただ1つの解を見つけようとする. しかし案外,候補の間をフラフラしているほうが,人間の最適につながっているのかもしれない.