moNo’s note

最近読んだ本,観た映画など,気ままにメモします.

わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために その思想、実践、技術

丸善にて,WEBやデザインの棚の横に刺さっていてなんとなく購入.

本書の「well being」は,欧米の視点より社会的で日本向けの内容になっている. 少々諄かったり,テーマが幅広いので,すべてに目を通しきるのは難しいが,それだけwell beingといっているものの正体を埋めるのに周りからアプローチするしかない(この辺り人工知能と似てる)のかもしれない.

well beingには様々な分類軸があるらしい. 例えば,医学的,快楽的,持続的,という軸.「良い状態」の要因や作用に注目した分類. 本書は個人のwell being,個人間のwell being,社会のwell beingという3つの関係性で整理されている. 社会性が強いのが日本含む東アジアの傾向だそう.

この本での学びを箇条書きで.

  1. well beingはnegativeな状態ではなく,positiveな方向へどうするかに主眼があること.
  2. 本末尾にあるワークショップの実践例.個人に踏み込んだ話をするためにも,「他人の鼓動を感じる」など,参加者の間の障壁をなくす工夫がいる,というのは中々示唆深い.
  3. ボトムアップの形に一番近い例は,FabLab.つまり,「目的」から始まって集まる場なのではないか?.自宅に道具を揃えて満足するのではなく,やりたいことを叶える手段.
  4. 貨幣はcontext,つまり交換対象の物の製造過程やそれにかかわる人々など,がごっそり削られ「数値」に集約される.それでは,関係性が硬直するのも仕方がないだろう,という指摘.
  5. 失敗できる環境づくり,予防→予備.negativeなことが起こらないようにするのではなく,致命的な事象のみを防ぐ,という立場.
  6. シェアリングエコノミーは,案外,日本的ではなかろうか?「共話」など,主語がぼやけ,個人ごとの境界をあえてぼかす文化.
  7. バルセロナ市,decidim.市民参加型の事例.