劇場版は鑑賞済みの状態で,何となくラストが気になって購入.
読む前の予想では,ギギを助けたハサウェイが大気圏に突入=閃光になった,というラストを想像したが,真逆だった. ある意味,地味に,静かに,リアルに,もっともキツいラストだった. 序盤で,テロという手段に対し,「最終的には支持されませんよ」と言われていたのが,現実になった形. 初志貫徹は今時ではない,と言われる可能性があるが,身の丈に合わないことを無理に実行すると,こうなるしかないのだろうか…
また,読み切って気づいたのは,ギギ自身に特殊な能力があるという断定はなく,周りが勝手に解釈・誤解しただけとも読み取れた. ハサウェイが「夢だったな…夢を見ていたみたいだ…ずっと…」と思う描写が全てなのかもしれない.
初恋の人を手にかけ,鬱からテロリズム,最後は高尚な死. なぜこうも生々しく感じるのか.
現代コンテンツに脳みそを浸され過ぎている身には,古典を浚え,ということなのかもしれない. 少しづつ,読んでみよう.