続メカ屋のための脳科学入門
RL界隈や民間療法(睡眠学習)の大本の話.機械学習が脳の学習法に密接に絡むことが良くわかって面白い. 個の改善・学習には多くの知見を与える一方で,集団としての知見は薄いのがちょっと残念.
睡眠について
- 覚醒中の脳活動パタンを「再生し」,海場の短期記憶を大脳皮質へ移している?
- 徐波催眠中=ノンレム睡眠では5~20倍の早回し
- レム睡眠では等速,その間にシナプスを刈り込んでいる?
- 記憶の効率性は,「寝入り端の徐波睡眠」が長いほど,「起床前のレム睡眠」が長いほど,高くなる
3種類のわかった!,脳内の学習方式
- 小脳のFB誤差学習
- 自分の予測が実際の現象と一致して「分かった!」.予想通り!
- 大脳皮質・海馬のヘブ学習=誤差伝搬
- 脳内に新しいリンクができると「分かった!」.つながった!そういうことか!
- 大脳基底核の強化学習
- 行動則がうまくいくと「分かった!」.あたらしいことができるようになった!
「自分」の壁
読んでいると,戦争体験世代が,庭の手入れをしながらほのぼの語っているイメージ.指摘はごもっともで,西洋の考え方が入ってきたことを実体験しているからこその目線が書かれてる.そのため,読んでいると,なるほど西洋思想が自分にも結構根付いているな,と気付かされるし,仏教的な文化がどのようなものか気づいていない面から理解できる.
難しいのは,そのうえで,どうしたいか,どうありたいか,という西洋的な問いに戻りたくなる気持ちが,今目の前のことを一生懸命生きよう,という東洋的な考えと衝突すること. 一方,ビックピクチャーを書くのはどちらでもない気がする.
しかし,どうもほのぼの感が強く,西洋文化が入ったうえでいまの世代はどうしよう,という問題意識が強くなる.これは自分の問題だから,では済まされない.リタイアしてるばあいじゃないよ,一緒に考えてよ,と声をかけたくなる.
- なぜ自己が尊重されているのか?:個性・自己はそもそも西洋から入ってきた考え方で,世界という地図の中の「現在位置」程度のものではないか.自分探しをしている自分とはなんぞや?
- アメリカは「Beaf or Chickin?」というよに,あなたはあれか?これか?を問う文化が根付いている
- 精神病で便を壁に塗りたくる人,これが本当にオリジナリティか?
- オリジナリティ=最初からもしくは生じた性質,程度のもの
- 「問題は,それぞれの人が個性を発揮するには,世間の方がきちんとしていなければならない」
- 「日本人は欧米人と比べると,世間の中で「自分」を出さずに従っています.しかし,その分,頭の中の自由度は相当なものです」
- 宗教からの自由,思想の自由がある.もともとあるから,思想の自由がどうのと言わない
- 文化の違いをどう乗り越えるか?=どこが違い,どこが同じなのか,できるだけ言語化して理解する.完全に理解できても当たらずとも遠からず,程度にはなれるはず
- ダーウィンの進化論vs共生.本来,環境や人と「つながっている」のに,「自分は自分」「人間は人間」「環境はそとにあるもの」と思っている.これは,ルネサンス以降の「個人」の考え方によるもの ※案外,外へ依存する資本主義と似通った問題かも
- 田んぼは私,原発も世界の一部
- 経済が成り立たないで思考停止してはいけない
- 本当に考えるべきは「どの程度までのエネルギー消費ならば,みんなが我慢できるのか?」
- 日本はつながりを前提とした文化が根付いてる.象徴としての天皇,数え年=信念に一斉に年を取る
- 日本には世間というものがある.差別ではなく,会員制のクラブメンバーが近い
- 会員制クラブメンバーであれば,ちょっと変,なじめない人でも,後は任せておけ.となるが,政治問題や戦争になると,お前はAか,Bかと迫ってくる.政治問題化すると議論はおかしなほうに行く.一人をつるし上げるもそう.
- 日本人は集団主義だと思っていたらとんでもない.こんなに勝手なことを言っている人ばかりだとは思わなかった=できないから声高に主張する.
- 空想の世界ではやりたい放題言いたい放題.実際問題に持ち込むべからず,という意識.なので,新しいことを提案すると,「それはまずい」となる:新解釈!
- 江戸幕府,身分制度を飛び越えた人材登用があった?!=世間から外れた枠があった.奇人というラベルづけはするが,そういうやつもいるだろう,と寛容な態度だった
- 鎖国が解かれると,常識との軋轢.これで外国人がいなければ,うまくいくはずだ,というすり替えになり,日本が売られる!と騒ぐ.
- いじめ.逃げ場所を作ること,あなたのせいではない,周りの人が悲しむ,が重要?=普通,だが,できているかと言われると難しい
- 個の思想はどこで?団塊の世代=老後は子供の世話にはならない=だから自分もしない=人の事なんか知ったこっちゃない.既にこのころから思想が入ってきてる可能性
- 外国はどうバランスしてるか?=協会が絆を維持していた?
- 日本は企業,しかし近年は成果主義で,絆は薄い
- 転職というが,できない人が流動している可能性も指摘.一方で,動かざるを得ないのは,上司に人を見る目がある,という前提が崩れた可能性もある.
- 同じ日本人なんだから,まあまあ…は,AかBか!を迫るのとは真逆.共同体として,でこぼこの人々を結びつける方策の結果だったのでは?
- 行政は場当たり的な政策ではなく,現状を把握し,伝える役目がまず重要では.洪水,地震のリスクを伝える.知ったうえで済むなら,覚悟してくださいという話.やったつもり政策では行き詰る
- ビックピクチャー:参勤交代,地方を強制的に知ってこい=工場実習に近い
- 日本の学者の多くは,いいものはみんな外から来るという構えになっている.ビックピクチャーをかけても,裏付けでーたは?とつぶしにかかる.物知り,偉いから私にまかせろ,となる
- 前提を疑うことが,ビックピクチャーを書くこと.
- 政治無関心が広がっているとすれば,それは単に切羽詰まっていないと感じている人が多い → 問題が「隠されて」いて,直ぐには気づけないのが問題なのでは?
- 世間はそう簡単には変わらず,「何かを良くしたい」という気持ちがが実現できるのはせいぜい小さな集団ではないか.
- 世界に問題がある,というのは簡単で,自分が動いていないことに問題があるのではないか?
- 死は「二人称の死」だけで,「私の死」は存在しない.この二人称を意識させる文化が親孝行だった.ここが薄くなることで,自殺や他殺が増えているのではないか?
- 夏目漱石「則天去私」=西洋を学んだうえで,私なんかいない=仏教
- 個を主張しない国=仏教がまだ根付いている国=中国・インドを除くアジア諸国.こうした国には自然が残っている?
- 意識を疑い,絶対的なものではないという視座を持ってみては?
- ネットの侵透・分断=純粋思考になって現実を受け入れがたくなっていく=まあまあでいられない人々
- ペットがかわいい→実際に飼えるか?無理だろう
- 解き方を教わりすぎると,自分で考えなくなる
- 隠れたメタメッセージに流される,が情報過多の本質ではないか?例えば,健康は行動で何とかなる,科学が明るい未来を切り開く,新聞の一面が政治で最も重要,
- 受動的な情報ではなく,能動的な人にのみ情報を届ける手段って何…?ただただ流れてくる情報=SNSを止める?ニュースの☑習慣をやめる?
- 地に足つける=自然のものを一日に10分でいいから見ろ
- 研究にはやっかいがついて回る=結局まわりがないと仕事ができない.これを研究だけしたいから,と逃げると,楽な方へ流れるだけ.息詰まる.教育か,国の仕事か,企業の利益か,いずれかと折り合いをつけながらやるしかない,という誰かの言葉を思い出す.
- 自分がどの程度のものまで飲み込むことができるか,他人とかかわり,ときには面倒を背負うことで学ぶ.それが自信につながる.